2016年【CBC賞】回顧

ベルカントに不毛な先行争いをさせないようにすべく、初めての騎乗となった藤岡康太騎手は、この馬にしては遅い流れの先行策を選択した。
仕上がってもいないし、目標はひとまず新潟であり、その先の中山であるから、ストレスを掛けないように走らせた点は、極めて常識的な判断であった。

でも、55.5というGTに届かない影なる実力馬には少々厳しいハンデは、いつもより遥かに前に構えたサドンストーム、当然のことながら、前走高松宮記念5着で最有力との評価を受けたエイシンブルズアイなどに、展開上有利に働くペースメーカーとしての役目しか果たせない可能性を大いに秘めていた。

スローでは流石に残るだろうけど、ゴール前でも先頭ということはないだろう。
差し馬が来た。しかし、こういう時に来るのは、決まって、軽ハンデ馬か、目先を変えてきたような特殊なローテの馬であることが多い。

「中京芝2勝」
レッドファルクスがキレた。
東京ダート14003勝、前走もその条件のオープン・欅Sを制していた5歳馬は、今まで走った経験のない1分7秒台の競馬で、上がり32秒台の末脚を繰り出し、芝重賞初出走で堂々と勝ち切って見せたのだ。

伏線は、引退レースの高松宮記念で猛烈に追い込んで3着したスティンガーが伯母にいる血統背景だということと、スウェプトオーヴァーボードの代表産駒は、パドトロワとアーバンストリートであるという2点。
前者は、スイッチが入れば何でもできる馬になり得る可能性を、後者では、エンドスウィープとサンデーサイレンスの組み合わせは、絶対芝のキレ馬に出る可能性を、それぞれ暗示していた。
が、前述の通り、ダートも得意なレッドファルクスなのである。

スイートスポットの極めて狭いこの馬にとって、純粋にスピード能力を求められるだけの競馬で、他がモタモタしそうなこの条件は、デムーロ騎手共々、理想的な状況であったということだろう。

(2016/7/5)

 

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