2016年【鳴尾記念】回顧

ヤマカツエースが坂で脱落した以外は、力のある馬は全部来た。
例年はスローの多いレースだが、内枠を引いたメイショウナルトを武豊が逃げさせない手はない。
前後半のラップが大体同じくらいの流れで、それを好位から抜け出した6歳のサトノノブレスにとっては、やっと出会えたベストの条件だった。

GT2着2回は、どちらかというと直線勝負に賭けて前を捉えきれずの内容だった時計不足のステファノスも、外枠を引いて、有力馬を全て前に見ることのできる中団からの追走で、凡走などありえない。

勝ち時計の1:57.6は、昨年冬に突如として飛び出した急坂コースにおける限界の数値である中山金杯の1:57.8を上回る、実質京都の1:56.9と同等レベルの価値がある時計。

勝ったサトノノブレスは、最近やたらと上手な競馬を繰り返していたから、天皇賞なんて当然ノーカウントでいいわけだから、距離短縮は大いに歓迎だったはず。
しかし、快走の本質的な理由は、ベガ一族の持つ類まれな勝負根性とそれが求められるこういったタフな条件における渋とさが、揉まれる展開でなかった時に最大限発揮される、血統的な要因が多分に影響しているのであろう。

だから、内からも伸びている近走の内容、昨秋からコンスタントに使われながら、体調を崩すこともなく、今回−10kgと久々に大きく絞れたことなど、まだ余力が残されていたからこそ、イメージ通りの結果が残せたのだろう。
この結果を単純に宝塚記念に当てはめることは、相手関係が大きく変わるから意味はないのかもしれないが、海外で爆発的な才能の見せ方をするエイシンヒカリのように、芸が身を助ける馬へと成長したと断言できる。

強い馬になった。
そして、騎手・川田将雅も、昨年のグランデッツアのような半端な競馬ではなく、この馬に合った乗り方で結果を出せる、本物の一流へと生まれ変わろうしている。
勝者には、大変意義深い一戦だった。

(2016/6/8)

 

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